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COLUMN

ホントの筆文字フォント語り
これぞ日本古来のPOP体「千秋相撲」


タイトル:これぞ日本古来のPOP体「千秋相撲」

第4回となる今回は、白舟書体より「千秋相撲(せんしゅうすもう)」を紹介する。



■番付表などで見られた伝統的な文字をフォント化

千秋相撲とは、相撲の番付表などで見られた
相撲文字(相撲字)の雰囲気を再現したフォントだ。

手書きの相撲文字を忠実に再現した「千秋相撲」と、
横組みでも扱いやすい「千秋相撲ラージ」の2種類がある。

実際の番付表に使われている書き下ろし文字を丁寧に分析し、
相撲文字特有の伝統的な字形を大切にしながら、
現代人の目にも馴染むようバランスに配慮して設計されたそうだ。

異彩を放つ相撲文字のデザインは、相撲文化の独自性を感じさせる。



■熱気と人情にあふれたPOP体

相撲文字だけでなく、勘亭流、籠文字、髭文字などの江戸文字は、
日本の大衆娯楽を華やかに彩ってきた。
人々の注目を集め、興奮を後押しする――。
そんな役割を担う黒子として活躍してきたのだ。

チラシ、ネット広告、動画などで使われるPOP体の目的も、
人の目線を引きつけ、気持ちを盛り上げるためにあるわけだから、
一見まったく異なるもののようでいて、実は同じ役割を果たしている。

相撲文字は、そのようなPOP体の基盤を築いた先駆者であり、
現代でいう「映え」の原点と言っても過言ではないだろう。



■千秋相撲の「千秋」ってなぁに?

フォント界に“デザイン筆文字”というニュージャンルを確立した
白舟書体のこだわりは、文字の見た目のデザインだけに留まらない。

千秋相撲の「千秋」とは、相撲を含む伝統芸能において、
公演の最終日を意味する「千秋楽」からきている。
また「千秋」とは、長い年月を意味する言葉でもある。

相撲も相撲文字も、長い年月をかけて育てられてきたもの。
そんな歴史のある相撲文字をフォント化することで、
日本古来の相撲文化がこれからも末永く続くよう応援したい――。

「千秋」という言葉には、
書家さんと白舟書体の共通した思い、願いが込められているのだ。

紙媒体のみならず、PCやスマホ、SNS、ゲーム、アニメなど、
フォントが活躍する場が増えた今、
使い手のアイデア次第で思わぬフォントの可能性が見つかることもある。

相撲分野はもちろん、令和のコンテンツの中で見せてくれる
千秋相撲の新たな表情にも期待が膨らむ。

日本らしい粋なPOP体の魅力を、ぜひJ-Fontで体感してみてほしい。

それでは、また次のコラムでお会いしましょう! ィヨロシク!!


【千秋相撲 紹介ページ】
https://j-font.com/contents/new_font_senshusumo

【サンプル画像で使用した素材】
本コラム内のフォントサンプル画像には、
J-Font.comで提供されている下記のデザイン素材を使用しました。
・010105_長波線
・010120_丸印1
・010125_黒塗り丸


ライター takumi
1994年生まれ。
子供の頃に書道を習っていたので毛筆フォントへの愛情やこだわりも人一倍強い。
ブログでは「takumi書痙フォント」などの自作フォントの紹介・販売を行っているほか、
SNSでもフォントに関する情報を発信中。
◎X ⇒ https://x.com/yalove1994
◎ブログ ⇒ https://slimedaisuki.com/
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